はじめに
『大腸がん』について
近年、日本では大腸がんによる死亡率が増加しています。大腸がん検診として便潜血検査が実施されていますが、便潜血検査を受けるだけでは意味がありません。
便潜血検査で異常を指摘された場合には、必ず大腸内視鏡検査を受けて、がんやポリープの有無を確認する必要があります。厚生労働省の調査によると、大腸がんの罹患率は、男女ともに40歳代から急激に増加し、高齢層ほど高くなる傾向がみられます。したがって、アメリカでは40歳以上で大腸内視鏡検査を受けることを推奨しています。
がん罹患数の順位(2019年)
- 参照元:国立がん研究センター 最新がん統計
- 単位:人
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
総数 | 大腸 | 肺 | 胃 | 乳房 | 前立腺 |
155625 | 126548 | 124319 | 97812 | 94749 | |
男性 | 前立腺 | 大腸 | 胃 | 肺 | 肝臓 |
94748 | 87872 | 85325 | 84325 | 25339 | |
女性 | 乳房 | 大腸 | 肺 | 胃 | 子宮 |
97142 | 67753 | 42221 | 38994 | 29136 |
大腸がん全国年齢階級別死亡率
(2021年)
- 参照元:国立がん研究センター 最新がん統計
- 対人口10万人
●…男性 ●…女性
大腸がんも早期発見、
早期治療が大切
大腸がんはがんのなかでも適切に治療を受ければ、根治しやすいのが特徴です。 早期発見、早期治療が大切です。大腸内視鏡で大腸内をくまなく観察し、早期がんや前癌病変(がんになる前のポリープ)を見つけることができれば、開腹せずに内視鏡手術で治療することができます。
当院の大腸内視鏡の
診療特長・ポイント
精度の高い内視鏡検査と豊富なスコープのラインナップで過去に手術をされ癒着がある方でも対応可能です。 過去に痛くてつらい思いをされた方はぜひご相談ください。
当院の内視鏡検査は麻酔薬を投与し、眠っている間に行いますので痛みや苦しさはありません。 また、20年以上に及ぶ経験と国内の大学病院や海外の内視鏡室で検査を行ってきた実績に基づき、高精度で苦痛のない検査を提供させて頂きます。
Point01先進的な内視鏡技術
院長は20年以上の内視鏡歴があり、大学病院や海外の病院での指導実績もあります。すでに長年の経験を有していますが、内視鏡検査の技術は日進月歩です。過去の経験だけでなくこれからも新しい技術を積極的に導入し、患者さんにとってより安全で負担の少ない検査を追及していきます。
Point02術後出血の確率が低い
大腸ポリープ切除
当院は電気メスを用いないコールドポリペクトミーを採用しています。従来は電気メスを通電して焼き切るポリープ切除でしたが、この場合、ポリープは取れても残った大腸組織へのダメージが大きく、検査翌日だけでなく数日から1週間後に出血する事もまれにみられました。これに対しコールドポリペクトミーは特殊なスネアでポリープを切除しますが、電気メスによる熱を発生させない為、ポリープ切除に要する時間も短縮するとともに切除断端の大腸組織の損傷も少ない内視鏡手術です。
Point03炭酸ガスによるお腹の
はり感が少ない検査
当院では、空気の代わりに生体吸収性に優れている炭酸ガス送気装置を使用して送気を行い、検査中・検査後のお腹の張りを極力抑える工夫をしています。
Point04癒着症例でも検査が可能な
細径大腸内視鏡スコープ
当院は大腸内視鏡専門クリニックである以上、スコープ選定には強いこだわりがあります。スコープのラインナップはオリンパス社製スコープである CF-H290IとPCF-PQ260Iの2種類を用意しています。細身の女性から大柄な男性まで幅広く対応可能なCF-H290Iと、手術歴があり癒着が想定される細身の体形の方のために極細径内視鏡であるPCF-PQ260Iを準備しています。 PCF-PQ260Iを導入することにより、体の小さな女性や過去の手術により癒着があり、過去に痛くて奥までスコープが入らなかった患者さんにも対応できるようになっております。この極細径スコープは受動弯曲機能が搭載されており、強固な癒着があっても患者さんに苦痛を与えることなく挿入することが可能です。このスコープを採用したことで、大腸スコープが入らず、別の日に改めて別の病院でもう一度、内視鏡検査をやり直す必要がなくなり患者さんの負担を大幅に低減することが期待できます。
Point05病理組織検査について
当院では大腸がんになる可能性のあるポリープ(腺腫や鋸歯状病変(Sessile serrated lesion:SSL))を発見した場合、スネアもしくは生検鉗子を用いて完全に切除します。切除したポリープは全て病理組織検査に提出して確定診断を行います。
入院治療が必要な大きなポリープや大腸がんが見つかった場合、必要に応じて生検鉗子で病変の一部を採集して病理組織検査を行います。
※病理組織検査は病理専門医により実施されます。
※病理組織検査の結果が出るまでには、通常2週間かかります。
大腸内視鏡
検査料金
当院では麻酔薬を使って検査を行うため、検査前にどこまで処置を行うかの確認を必ず行います。
検査時にポリープ切除まで行うかどうかは患者さんのご意思にお任せしています。鎮静剤を使って眠っている間に余分な検査まで行われたという事はありませんのでご安心ください。但し、病理組織検査については行うか行わないかは事前に予測は不可能な為、検査時の医師の判断にお任せ頂けたらと思います。もちろん必要以上に組織検査を行う事はありません。
検査の内容 | 1割負担の方 | 3割負担の方 |
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大腸カメラ (観察のみ) |
約2,000円 〜2,500円 |
約6,000円 〜7,000円 |
大腸カメラ +病理検査 |
約4,000円 〜7,000円 |
約10,000円 〜20,000円 |
大腸ポリープ 切除 |
約7,000円 〜10,000円 |
約20,000円 〜30,000円 |
ご留意点
- 上記費用とは別に、初・再診料などが必要です。
- 上記金額は”内視鏡検査代のみ”の概算になります。その他の処方箋料や検査料(血液検査など)は、別途必要になります。
- 使用する薬剤や点滴の有無により金額が変動します。
- 内視鏡検査料金は病理検査やピロリ菌検査、ポリープ切除の有無により金額が変動します。
- 当院ではクレジットカードは使用出来ませんので、あらかじめご了承下さい。
- 内視鏡的大腸ポリープ切除に関しては「内視鏡手術」になります。
いわゆる「日帰り手術」に該当しますので、該当する民間保険(生命保険、がん保険など) の給付対象であれば、保険会社指定の診断書を取り寄せてご持参下さい。
診断書料金は1通5,500円(税込)です。
ポリープ切除や病理組織検査に関しては、『①ポリープや組織を取った場所』、『②ポリープの大きさ』によって保険点数(料金)が異なります。
大腸内視鏡検査の流れ
- 01Webから診察の予約
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下記ボタンより診療ご予約をしてください。
- 02医師の問診
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必要により血液検査を行います。現在の症状や過去の検査歴などをお聞きします。
- 症状(いつからどんな症状があるのか)
- 過去や現在の病気の有無・薬の内服の有無
- 家族歴の有無
- 薬剤アレルギーの有無
- 03スタッフより説明
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検査日の予約と検査前の注意事項の説明があります。
血液をサラサラにするお薬を飲まれている方は必ず申し出てください。
最近はガイドラインにより、お薬を飲まれていても休薬せずに組織検査は行う事は出来ますが、ワーファリンや2種類以上の抗血小板薬を服用されている方の場合は組織検査が出来ない場合もあります。
- 04前日の夜
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寝る前にお渡しした下剤を服用して頂きます。
固形物の摂取は午後8時以降は控えて頂きます。脱水を予防するために、水をしっかり摂取してください。
- 05検査当日(自宅にて)
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- 当日は、朝食を食べないでください。
- 腸管洗浄液の内服(検査予約時間の4時間前から内服を開始して下さい。準備完了まで、2時間程度要します。)
- 腸管洗浄液の内服中に強い腹痛、嘔吐などがあれば、内服を中断しクリニックへご連絡ください。
モビプレップ®法
- 水、お茶は飲んでいただいて構いません。
- 口紅、マニキュア、ネイルは外してください。
- 内視鏡検査の際には、検査用パンツに着替えて頂きますので、上下分かれた服で来院下さい。(ワンピースはお避けください)
- 06検査当日(来院後)
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問診を行います。
当日の体調、服用中のお薬、アレルギーの確認などを行います。 時間に余裕を持ってのご来院をお願い致します。 -
リカバリースペースへご案内します。
検査着へお着替えしていただきます。(スタッフがお声がけします。) リカバリースペースで順番をお待ちください。 貴重品につきましては、リカバリースペース備え付けのロッカーをご利用下さい。(必ず鍵をかけるようにしてください。)
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問診を行います。
- 07麻酔薬投与
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内視鏡室で麻酔薬を静脈注射します。
麻酔薬を投与した後は眠った状態(効果には個人差があり完全に眠らない方もいますが頭がボーっとした状態)になります。
- 08検査開始
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当院の大腸内視鏡検査自体は約20〜60分で終了します。その間、通常の内視鏡検査に加え、NBI観察、色素内視鏡などを駆使して微小病変も見逃さないように観察をしていきます。
必要があれば病理組織検査(生検)や粘膜培養検査、PCR検査も行います。
切除が必要なポリープに関しては、日帰り大腸ポリープ切除術も同時に実施することができます。
- 09検査終了後
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車椅子でリカバリールームまで移動し、麻酔薬の効果が消えるまで約1時間ほどゆっくり休んで頂いてから帰宅して頂きます。
- 検査終了後、乗り物(車、バイク、自転車など)の運転は出来ませんので、必ず公共の交通機関(電車、バス等)で来院下さい。
- 10検査結果説明
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後日、外来診察で検査結果を丁寧に説明させて頂きます。(通常、病理結果および細菌培養結果が揃うのに1〜2週間程度かかります。)