「好酸球性食道炎」とは、好酸球というアレルギー反応に関連する白血球が食道粘膜にたくさん集まって、慢性的な炎症を生じさせる病気です。
炎症が続くと「胸がつかえる感じ」や「胸やけ」、「胸の痛み」などの症状を起こします。
重症化すると食道が狭くなって食事が詰まってしまうこともあります。
2~30年前までは日本では非常にまれな病気と考えられていましたが、最近では好酸球性食道炎を頻繁に見かけるようになりました。
病気が発症する原因については、まだはっきりわかっていませんが、喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持っている人に多く発症します。また、この病気は「遺伝的」な要因よりも「環境的」な要因が発症に強く関連していることが報告されています。
「好酸球性食道炎」をあまりご存知でない内視鏡医が胃カメラを行うと、「逆流性食道炎」と誤診してしまう可能性があります。
軽症であれば、逆流性食道炎の治療でも好酸球性食道炎がよくなることもありますが、炎症が強い場合には逆流性食道炎の治療を行っても一向に良くならない場合があります。
「他院で逆流性食道炎と診断されて治療を受けているけど、一向によくならないんです…」とのことで当院を受診され、当院で胃カメラを実施すると、実は「好酸球性食道炎だった!」といったケースが時々あります。(当院では毎月のように好酸球性食道炎の新規患者さんが見つかっています。)
好酸球性食道炎の治療には、アレルギーの原因となる物質を調べるための専門的な「血液検査」が必要になるため、内視鏡検査で好酸球性食道炎と確定診断がついた場合には好酸球性食道炎の専門施設へご紹介させて頂いておりますので、ご安心下さい。
院長
安藤祐吾