『ピロリ菌』が発見されるまで、胃がんは日本で非常に多い病気でした。
しかし、ピロリ菌の除菌治療法が確立され、2013年からは慢性胃炎に対する保険診療が開始されてピロリ菌の除菌が進み、ピロリ菌保菌者の数が激減したことで、最近では胃がんの患者さんを見かける頻度が明らかに減少しました。
以下に胃がんの発見率をお示しします。
☑ピロリ菌陰性 0.095%
☑ピロリ菌陽性 2.41%
☑ピロリ菌除菌後 0.63%
以上の表から、ピロリ菌がもともと陰性の方が胃がんになる確率は、非常に低いことがおわかり頂けると思います。
一方、ピロリ菌陽性の方では比較的高い確率で胃がんが発見されています。
しかし、ピロリ菌陽性であってもピロリ菌の除菌治療を受けることで、胃がんのリスクを下げることが可能です。
ただし、ピロリ菌除菌後であっても注意が必要です。
一般的にピロリ菌は免疫機能が未熟な乳幼児期に感染が成立すると言われています。
つまり、ピロリ菌が除菌されるまでの数十年間は胃の粘膜が荒れている状態が続いていたので、その影響は除菌治療後も残ります。
つまり、ピロリ菌が除菌されるまでの数十年間は胃の粘膜が荒れている状態が続いていたので、その影響は除菌治療後も残ります。
そのため、ピロリ菌治療が終了した後も、定期的な胃カメラによる胃がん検診が必要になります。
(注意) 除菌治療が終わると、全て「無罪放免」と勘違いされて、以後、胃カメラを受けられない方がおられますが注意が必要です。
必ず、定期的な胃カメラ検診を受けるようにして下さい。
院長
安藤祐吾